嶋本隆司 医師コラム
最新情報に基づいた抗がん剤治療(2)
2009年 9月17日
嶋本隆司 医師
結腸・直腸がんの分子標的治療
セツキシマブ(アービタックス)はがん細胞の表面に存在しているEGFR(上皮増殖因子受容体)に特異的に結合する抗体薬です。現在、結腸・直腸がんのセカンドライン以降に有効性が報告されています。
この分子標的薬については、さまざまな議論がなされてきましたが、いくつかの臨床試験によって、より適確な使用方法が明らかになってきました。
セツキシマブ(アービタックス)はがん細胞の表面に存在しているEGFR(上皮増殖因子受容体)に特異的に結合する抗体薬です。現在、結腸・直腸がんのセカンドライン以降に有効性が報告されています。
この分子標的薬については、さまざまな議論がなされてきましたが、いくつかの臨床試験によって、より適確な使用方法が明らかになってきました。
●KRAS野生型にのみ治療効果が認められたセツキシマブ
従来、セツキシマブは、EGFRが発現している結腸・直腸がんの患者さんすべてを対象とした分子標的薬でした。しかし、なかなかクリアなベネフィットが見い出せずにいました。
そこで、サブ解析が行われ、KRAS遺伝子(発がん遺伝子の一種)がセツキシマブの治療効果と関連していることが明らかになりました。そして「KRAS遺伝子とセツキシマブの関連性」を示す臨床試験が行われています。FOLFIRI(ホリナート+フルオロウラシル+イリノテカン)にセツキシマブを上乗せした効果を見たCRYSTAL試験、FOLFOX4(ホリナート+フルオロウラシル+オキサリプラチン)にセツキシマブを上乗せした効果を見たOPUS試験、支持療法単独群にセツキシマブを加えた「NCIC CTG CO17」という3つの臨床試験がそれです。
いずれの試験においても、KRAS遺伝子の変異を持たない野生型の群と、変異を持っている群との症例を比較。その結果、野生型群のみにセツキシマブの治療効果が認められ、変異型群は投与していない群よりもむしろ治療成績が悪化することがわかりました。
これまでセツキシマブの治療効果の良否がわからなかったのは、このKRAS遺伝子の変異を持つか否かが大きな要因であったと推察できます。ですから、野生型の患者さんをきちんと選択して投与していけば、セツキシマブの治療効果はクリアに見られるはずです。
「統合医療でがんに克つ」VOL12 6月号から引用
従来、セツキシマブは、EGFRが発現している結腸・直腸がんの患者さんすべてを対象とした分子標的薬でした。しかし、なかなかクリアなベネフィットが見い出せずにいました。
そこで、サブ解析が行われ、KRAS遺伝子(発がん遺伝子の一種)がセツキシマブの治療効果と関連していることが明らかになりました。そして「KRAS遺伝子とセツキシマブの関連性」を示す臨床試験が行われています。FOLFIRI(ホリナート+フルオロウラシル+イリノテカン)にセツキシマブを上乗せした効果を見たCRYSTAL試験、FOLFOX4(ホリナート+フルオロウラシル+オキサリプラチン)にセツキシマブを上乗せした効果を見たOPUS試験、支持療法単独群にセツキシマブを加えた「NCIC CTG CO17」という3つの臨床試験がそれです。
いずれの試験においても、KRAS遺伝子の変異を持たない野生型の群と、変異を持っている群との症例を比較。その結果、野生型群のみにセツキシマブの治療効果が認められ、変異型群は投与していない群よりもむしろ治療成績が悪化することがわかりました。
これまでセツキシマブの治療効果の良否がわからなかったのは、このKRAS遺伝子の変異を持つか否かが大きな要因であったと推察できます。ですから、野生型の患者さんをきちんと選択して投与していけば、セツキシマブの治療効果はクリアに見られるはずです。
「統合医療でがんに克つ」VOL12 6月号から引用