松島修司 医師コラム
Dr.松島の往診日記 第10話
2010年 4月28日
松島修司 医師
悪天候のなか、来院する「患者さんの想い」
第10回は「気象状況と通院」にまつわるお話です。
第10回は「気象状況と通院」にまつわるお話です。
●〝大雪の往診〟が教えてくれたこと
あれは、日本列島が大寒波に包まれた今冬のある日のことでした。東京九段の統合医療ビレッジで診察を終えた私は、北陸在住の患者さんを往診するため、タクシーをつかまえて羽田空港へと急ぎました。通常、北陸方面への往診は、上越新幹線と特急電車を乗り継ぐのですが、その日は前夜からの大雪で列車がスムーズに運行していなかったのです。
飛行機が富山空港を目指して飛び立つと、この日の診察中、ある患者さんと会話をしていた場面が私の脳裏に蘇ってきました。
その患者さんは、本日東京で受診するために、大雪のなか北陸方面から飛行機を利用して来院しました。しかも、自宅から最も近い富山空港から羽田空港に向かう便が欠航になり、急きょ、自動車で小松空港まで行き、診察時間に間に合わせてくれたのです。
当院には、日本全国から患者さんが来院します。その大多数は、がんという病と向き合っている方々ですから、長時間の移動を伴った来院は、身体的負担になっていることは間違いありません。それに加えて、冬期に北国から通院する患者さんは気象状況とも闘いながら通院してくれていることが、この日、痛いほど理解できました。
その患者さん以外にも、東北在住の他の患者さんは、普段、飛行機を利用して通院してくれているのですが、1月下旬から3月初旬までは濃霧による欠航を考慮して、新幹線で通っているそうです。
北国だけとは限りません。台風のシーズンには診療予約がある患者さんの誰もが、天気予報と交通機関の運行情報に留意しながら、治療を受けに来てくれているはずです。
免疫細胞療法は採血、リンパ球の培養、点滴での体内へのリンパ球戻しという一貫したシステムで成り立っているため、予約内容の急な変更が大変難しいのは確かです。
しかし、患者さんが予約時間通りに来てくれることは当たり前のことではなく、当院の治療に期待を寄せた患者さんやそのご家族は、各々必死な思いをしながら、治療に通ってくれているのです。
そんなことを思っているうち、飛行機は富山空港の滑走路に滑り込み始めました。外を見れば東京と比較にならないほどの積雪量であることが一目瞭然でした。今回の
往診は、患者さんから「大雪で大変なので、往診の日をずらしても
構いません」という心遣いをいただいいました。
しかし、私は「天候によっては羽田に引き返す可能性もある」という便に、とにかく乗ることにしたのです。
それは、日々多くの患者さんが、気象状況とも闘いながら来院してくれていることを思えば、とにかく行けるところまで行ってみよう、
いや、何があっても目的地まで到着しよう、という気持ちになっていたからです。
医療者として大切なことをまた往診が教えてくれました。
あれは、日本列島が大寒波に包まれた今冬のある日のことでした。東京九段の統合医療ビレッジで診察を終えた私は、北陸在住の患者さんを往診するため、タクシーをつかまえて羽田空港へと急ぎました。通常、北陸方面への往診は、上越新幹線と特急電車を乗り継ぐのですが、その日は前夜からの大雪で列車がスムーズに運行していなかったのです。
飛行機が富山空港を目指して飛び立つと、この日の診察中、ある患者さんと会話をしていた場面が私の脳裏に蘇ってきました。
その患者さんは、本日東京で受診するために、大雪のなか北陸方面から飛行機を利用して来院しました。しかも、自宅から最も近い富山空港から羽田空港に向かう便が欠航になり、急きょ、自動車で小松空港まで行き、診察時間に間に合わせてくれたのです。
当院には、日本全国から患者さんが来院します。その大多数は、がんという病と向き合っている方々ですから、長時間の移動を伴った来院は、身体的負担になっていることは間違いありません。それに加えて、冬期に北国から通院する患者さんは気象状況とも闘いながら通院してくれていることが、この日、痛いほど理解できました。
その患者さん以外にも、東北在住の他の患者さんは、普段、飛行機を利用して通院してくれているのですが、1月下旬から3月初旬までは濃霧による欠航を考慮して、新幹線で通っているそうです。
北国だけとは限りません。台風のシーズンには診療予約がある患者さんの誰もが、天気予報と交通機関の運行情報に留意しながら、治療を受けに来てくれているはずです。
免疫細胞療法は採血、リンパ球の培養、点滴での体内へのリンパ球戻しという一貫したシステムで成り立っているため、予約内容の急な変更が大変難しいのは確かです。
しかし、患者さんが予約時間通りに来てくれることは当たり前のことではなく、当院の治療に期待を寄せた患者さんやそのご家族は、各々必死な思いをしながら、治療に通ってくれているのです。
そんなことを思っているうち、飛行機は富山空港の滑走路に滑り込み始めました。外を見れば東京と比較にならないほどの積雪量であることが一目瞭然でした。今回の
往診は、患者さんから「大雪で大変なので、往診の日をずらしても
構いません」という心遣いをいただいいました。
しかし、私は「天候によっては羽田に引き返す可能性もある」という便に、とにかく乗ることにしたのです。
それは、日々多くの患者さんが、気象状況とも闘いながら来院してくれていることを思えば、とにかく行けるところまで行ってみよう、
いや、何があっても目的地まで到着しよう、という気持ちになっていたからです。
医療者として大切なことをまた往診が教えてくれました。