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松島修司 医師コラム

Dr.松島の往診日記 第4話

2009年 11月27日
松島修司 医師

目差す治療を提供するために「忘れてはいけないもの」
 私は、東京・統合医療ビレッジ以外でも、週に1度、京都・統合医療ビレッジでも治療を行っています。それらの診療は基本的に予約制で、患者さんと対峙する時間が十分に確保されています。

 このような通常の診察以外にも、地方の町まで往診に行く機会がたびたびあります。そのなかに1年近くも往診を続けている東北在住の患者さんがいます。そして、そのことを知った他の東北在住の患者さんが、東京・統合医療ビレッジでの診療の日、私に「同じ町にある私の家まで往診に来てもらえないでしょうか?」と切り出してきました。その患者さんは、月に1~2回、新幹線で通院していたのですが、そのときは少し体調を崩していたようです。私は即座に承諾しました。

 東北のとある町まで診察へ向かう日、東京・統合医療ビレッジでの通常の診療を終えた私はその足で東京駅へ向かい、東北新幹線に乗り込みました。そして、体調を崩した患者さんの家に21時頃にお邪魔し、リンパ球療法と樹状細胞療法を行いました。深夜にホテルに戻り、翌朝、従来の往診を行っている患者さんの家で宅診し、同様の治療を行いました。その後、11時代に最寄り駅を経つ特急電車に乗り込み、最近、東北まで往診で足を運んだ際に立ち寄るようになった隣県在住の患者さん宅に向かいました。

 無事に治療を終え、特急電車に乗り込むと一挙に疲労感に襲われました。そして、3人の治療を無事に終えた安堵感も手伝い、うとうと寝入ってしまったのです。東京へ向かう新幹線に乗り換え、車窓の向こうを流れる風景をぼんやり眺めていると、こんな感慨が湧いてきました。当院を頼ってくれる患者さんのなかには、標準治療から見放されてしまった人も少なくない。そんな人たちの「医療への不信感」を払拭するためにも全力での治療を提供しなければいけない......。そのためにも、自分の精神状況や体調を常に充実させておかなければいけない......。それは自分が目差す治療を提供するための必要最小限のことなのだ......。

 今回のようなタイトな診察スケジュールのなかにあっても、けして忘れてはいけないもの。それは、気力・体力を充実させて治療にあたる「医療者としての姿勢」なのだと再確認した往診でした。