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歳時記

東山文化の神髄を見せる銀閣寺~簡素枯淡を表象する「冬の世界文化遺産」

2009年 1月20日

 哲学者が思策に耽りながら歩いたという逸話が残る「哲学の道」。その北端、白川に架かる銀閣寺橋を渡り、土産物店が軒を連ねる緩やかな坂を上ると、そこが世界文化遺産・銀閣寺である。寺門付近の竹垣は銀閣寺垣と呼ばれ、訪れた者をその庭園へと誘ってくれる。
 多くの人に親しまれている銀閣寺という寺名は俗称で、正しくは東山慈照寺といい、室町時代に足利義政によって造営された山荘東山殿がルーツとなっている。その後、臨済禅宗の寺院となり慈照寺と名付けられた。また、銀閣寺という俗称は、華やかな北山文化を代表する金閣寺に対して付与された。金箔を張り巡らせた優美さを誇る金閣寺と建築美を競う銀閣寺だが、銀箔は使用されていない。現在は、簡素枯淡を美の極意とする東山文化の代表建築物として、落ち着いた佇まいを醸し出している。
 名園として名高い庭園は、錦鏡池を中心とする池泉回遊式庭園。池は中ほどで大きくくびれ、西に銀閣、東に東求堂(銀閣とともに残った室町時代の建物)が姿を見せる。銀閣の姿がいちばん美しいとされるのは、松の緑に包まれながら水面に影を落とす、池の東側から見る姿。それに、裏山へと続く遊歩道の展望台から俯瞰する銀閣にも風情がある。秋の紅葉期にもっとも賑わう古刹だが、うっすらと雪化粧をまとった銀閣も東山文化の神髄「わび」「さび」を堪能させてくれる。