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歳時記

古都の日常に包まれた東福寺~洛東の古刹を彩る晩秋の紅葉

2008年 12月20日

 京都駅からJR奈良線に揺られること2分で、東福寺駅に到着。京都の街中にある古刹は、歴史ある市民の日常と共にある。通年、観光客で賑わう京都だが、その観光拠点・京都駅に近い割に、新緑と紅葉の季節を除いて東福寺を訪れる人の数は多くない。
 東福寺は奈良の東大寺と興福寺にあやかり寺名が付与された。その約5万坪(16・5万㎡)の広大な寺域に足を踏み入れる。月輪山を背後に従えた大伽藍は、平安時代末期から鎌倉時代初期の公卿・九条兼実の孫の道家が、嘉禎2(1236)年、祖父の菩提寺として都最大の寺を建造しようとしたもの。伽藍最南端の六波羅門は、北条氏の六波羅政庁の遺構と言われ、鎌倉幕府が滅亡した元弘3(1333)年の矢傷が今も残る。
 方丈(寺の中にある住持の居所)の東西南北にそれぞれ赴きの異なる庭が広がっているが、苔と角石が交互に配置された市松模様の北庭が名高い。また、本堂(仏殿)から開山堂へと続く歩廊は、そのまま洗玉澗と呼ばれる渓谷に架かる優雅な通天橋となっている。晩秋の頃、その橋下の楓が色付く様は「通天紅葉」と呼ばれ、自然の芸術を堪能する眺めを提供してくれる。洗玉澗が赤や黄色で燃え立つ季節、普段は静かな古刹が、束の間の賑わいを見せる。