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歳時記

深緑の古木におおわれた鞍馬~名産と伝説の静寂郷へ

2008年 11月20日

 叡山電鉄鞍馬線の終着「鞍馬駅」に降り立つと、やがて花背峠を越えて丹波・若狭へと通じていく街道が曲線を描いている。この地名は「闇部(くらふ)」が転訛したと言われるように、道沿いにはうっそうとした古木が茂る。鞍馬寺への入り口・仁王門を左手にして街道沿いに歩を進めると昔ながらの趣を残す門前町が姿を現し、そのなかには名物「木の芽煮」を売る店がある。木の芽煮は、元々、地産の山菜の塩漬けであったが、昆布と山椒の実・葉を醤油で煮詰めた佃煮に形を変えた。それが鞍馬寺詣での人相手に細々と売り始められ、鞍馬の観光地としての発展と共に全国に知られる伝統的名品となった。山椒の果皮は健胃・鎮痛などの作用があるとされ、漢方では薬として用いられているので、胃腸の弱った人には木の芽煮を具にしたお粥などがお勧めだ。
 仁王門に戻り鞍馬寺へ向かえば、途中で牛若丸が修行したと伝えられる由岐神社に突き当たる。ここから鞍馬寺までの本堂までは九十九折が続く。鞍馬寺から貴船へと続く木の目道は静寂に支配されており、先には「鞍馬天狗」の舞台として知られる僧正ヶ谷が待っている。